目次
はじめに
今年もIT導入補助金の申請が始まっております。
IT導入補助金の申請には事前準備が必要です。
今回は、IT導入補助金申請の事前準備についてご説明いたします。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、ITを導入する際の費用の一部を国が補助することで、ITの導入を促し、中小企業の生産性を向上させることを目的にした事業です。
今年は、生産性向上だけにとどまらず、新型コロナウィルスの影響を乗り越えるため、
- サプライチェーンの毀損への対応
- 非対面ビジネスモデルへの転換
- テレワーク環境の整備
を目的としたITの導入に関しても補助金が支給されることになりました。
新型コロナウィルス対策に関しては生産性向上よりも以下の点で優遇されます。
- 生産性向上では費用の半分が補助されるのに対し、新型コロナウィルス対策では3分の2までが補助されます。
- 生産性向上ではソフトウェアのみですが、新型コロナウィルス対策ではハードウェアのレンタルを含む費用が補助されます。
- 新型コロナウィルス対策では、2020年4月7日以降導入したものであれば、遡及申請が可能です。
IT導入補助金の申請対象
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等を対象とした補助金ですので、
中業企業・小規模事業者等に当てはまらなければ、申請することはできません。
弁護士事務所の場合、「サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く)」に該当すると思われますので、常時使用する従業員の数が100人以下である必要があります。
また、下記の法人は対象にはなりません。
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している
- 大企業の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている
弁護士事務所においては、代表弁護士が大企業の社外取締役になっていると3にひっかかる可能性がありますので、ご確認いただければと思います。
IT導入補助金の申請の準備
IT導入補助金を申請する前に、事前準備として必要な作業は3つあります。
- 必要書類の準備
- gBizIDプライムの取得
- SECURIY ACTIONへの同意
必要書類の準備
IT導入補助金を申請するためには、以下の書類が必要になります。
まずは、以下の書類をご準備ください。
-
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内のもの)1通 -
履歴事項全部証明書
(発行から3ヶ月以内のもの)1通 -
直近分の法人税の納税証明書
「その1」もしくは「その2」1通
個人事業主の場合
-
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内のもの)1通 -
運転免許証もしくは住民票
(発行から3ヶ月以内のもの)1通 -
直近分の所得税の納税証明書
「その1」もしくは「その2」1通 -
税務署が受領した直近分の
確定申告書Bの控え1通
gBizIDプライムの取得
gBizIDとは経済産業省と中小企業庁が提供する行政サービスを利用するためのアカウントです。
IT導入補助金を申請するためには、まず、gBizIDプライムを取得する必要があります。
新型コロナウィルスの影響で、gBizIDの取得には3週間かかるようです。
IT導入補助金を申請する予定がある場合、できるだけ早く取得されることをおすすめします。
また、gBizIDの取得には3ヶ月以内の印鑑証明書が必要です。
まず、以下のURLにアクセスします。
GビズID
「gBizIDプライム作成」ボタンを押下します。
必要事項を入力していくと、以下の画面が表示されます。
「申請書ダウンロード」を押下して、申請書をダウンロードし、印刷して
- 作成日を手書き
- 実印の押印
を行ってください。
- 申請書
- 印鑑証明書
- チェックシート
(ダウンロードした申請書の最後のページ)
を郵送すれば申請は完了です。
SECURITY ACTIONへの同意
SECURITY ACTIONとは、企業自らが情報セキュリティに取り組むことを自己宣言する制度です。
IT導入補助金では、「1つ星」の宣言が必要です。「情報セキュリティ5か条」に取り組むことを宣言すれば、「1つ星」宣言をしたことになります。
「情報セキュリティ5か条」は以下の5つになります。
- OSやソフトウェアは常に最新の状態にする
- ウィルス対策ソフトを導入する
- パスワードを強化する
- 共有設定を見直す
- 脅威や攻撃の手口をする
詳細は、情報セキュリティ5か条 をご確認ください。
実施しなくても、宣言するだけで「1つ星」宣言になりますが、ITを使う上で当然実施すべき内容ですので、この機会に現状の見直し、および対応を進めていくことを強く推奨いたします。
SECURITY ACTIONの宣言自体は、こちらから行ってください。
できればやっておきたいこと
IT導入補助金の審査は、正直、かなり厳しいです。
したがいまして、加点対象となる取り組みをできるだけ行っておくに越したことはありません。
しかし、残念ながら今からできることは1つしかありません。その唯一のできることが「3年の事業計画の策定し、従業員に表明する」ことです。
事業計画の中で、
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること(被用者保険の適用各隊の対象の場合、任意適用に取り組む場合は1%)
- 事業場内の最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
を明記する必要があります。賃金引き上げに関するこの2つは、必ず、従業員に表明してください。
最後に
IT導入補助金の申請準備についてご説明いたしました。
gBizIDは3週間もかかりますので、IT導入補助金を取得する可能性がある場合、早めに準備にとりかかられることをおすすめいたします。
執筆者
株式会社カイラステクノロジー
IT導入補助金チーム
IT導入補助金2019から、毎年、IT導入支援業者登録し、法人だけでなく、
個人事業主の、IT導入補助金の申請および事業実施報告をサポートしています。
過去の申請の経験を活かした記事をご提供します。