代表メッセージ
CEO Message
私は「IT革命」が流行語大賞を受賞した2000年に、ヤフー株式会社で内定者バイトとして働き始めました。
そして、俗に「AI元年」といわれる2017年に株式会社カイラステクノロジーを設立しました。
昨今のAIに関する期待と熱狂、そして畏れは、当時のITに対するものと非常によく似ていると個人的に思います。
「ITによって効率が驚くほど上がる」という話を筆頭に「ITを使えない人間は仕事がなくなる」とか「ITにより人間のする仕事がなくなる」という話がまことしやかにささやかれていました。
それから20年近く経って、当時のPCより何百倍も性能が高いスマートフォンを1人1台持つような時代になり、生活は非常に便利になりましたが、仕事はなくなってはいません。
当時の熱狂が幻想となってしまった背景には、当時「ITは道具の1つにすぎない」という事実が置き去りにされたということがあると思います。
道具はそもそもなんらかの目的を果たすために用いられます。
「金槌を使うこと」自体が目的になることは通常起こりえないように「ITを使うこと」自体が目的になることはコンピュータの講習か授業でしか起こりませんが、残念ながらそれが目的になった挙句、破綻しているケースが少なからずあるのが現状です。
道具には得手不得手があります。
金槌で木を切ったり、のこぎりで釘を打てないのと同様に、ITも万能ではありません。ITによりすべてのことが可能になるわけではなく、ITが得意とする領域では、ITは人間よりも圧倒的に処理能力が高く、結果として圧倒的に人間の効率が上がるというのが事実です。
人間が扱う以上、道具は人間にとって扱いやすいものである必要があります。
残念ながら世の中のシステムのすべてが利用者にとって扱いやすく作られていません。そういったものが原因で、ITに対する拒否感や不信感が生まれ、利用すべきところにITの導入が進んでない原因の1つになっていると思います。
扱いやすいものであったとしても、道具を使うには一定の修練が必要です。修練がなければ、いい道具を持っていたとしても宝の持ち腐れになってしまいます。ほとんどの人間は変化に抵抗があります。その上で、労力をかけて修練しないといけないとなると、さらにその抵抗は大きくなります。
道具の活用によってどれだけ効率が上がるのか、そこが語られないことが多く、導入はしたものの埃をかぶったままになっているシステムが世の中には数多くあるのが現実です。
2005年に弁護士ドットコムの立ち上げに協力するまで、私は弁護士業界とは全く無縁でした。弁護士業界がどのような状況なのか知りたいとも思っていませんでしたし、弁護士やそれを補助する事務員がどのような形で仕事を進めているのか知る由もありませんでした。
当時驚いたのは、日本最難関の司法試験に合格するような優秀な人たちのほとんどが、活用すべきところにITを活用していなかったことです。
Yahoo! という IT企業の大手で働いていた自分にとっては、かなり大きなカルチャーショックでした。
それから10年経っても、さほど大きく状況は変わっていません。
私がカイラステクノロジーを立ち上げた理由は、弁護士をはじめとする国家試験に合格した有資格者の方々に、ITが得意とする分野を引き受けるシステムを提供することで、有資格者の能力を存分に発揮していただくためです。いわゆる士業の方々の仕事の効率が上がることにより、士業の力を必要とされているさらに多くの方が救われるはずです。
私は、Yahoo!において「当たり前の機能を当たり前に提供する」ということを学びました。
言うは易しですが、当たり前の機能を当たり前に提供するということは非常に難しいことです。
そのために、カイラステクノロジーでは常に100点を求め続けるだけではなく、常にシステムの改善に努め続けます。
システムの導入には変化が伴うため、痛みが伴います。しかしながらその痛みを乗り越えたところに、働いている方だけではなく、士業の力を必要とされている方の喜びが広がっているはずです。
御社と御社の力が必要な方々の一助となれれば幸いです。
代表取締役富士 慶
プロフィール
- 山口県出身
- 1994年03月
私立ラ・サール高等学校卒業 - 2001年03月
慶應義塾大学 理工学研究科 計算機科学科修了 - 2001年04月
ヤフー株式会社の新卒第1号として入社 - 2005年07月
システム担当として弁護士ドットコムを立ち上げ - 2009年05月
弁護士ドットコムを後任に引き継ぐ - 2011年10月
ヤフー株式会社退社 - 2015年01月
Armanaの制作開始 - 2017年11月
株式会社カイラステクノロジー設立